2016年1月 80代 女性 右側の殿部~もも裏が痛い

症例18

一年半前くらいから症状が続く、現在も整形外科に通うが
良くならない。診断結果は脊柱管狭窄症、投薬とリハビリに通っている。
歩くと痛い、立ち上がり時が痛い。
6年前に圧迫骨折をしている、長引く症状にウンザリしている、
息子さんに鍼をすすめられ、当院に来院。


症状経過と施術内容

腰椎の前腕が少なくなっており腰全体に柔軟性がないように感じた。
前屈動作は問題ないが、後屈動作は困難でまっすぐ伸ばそうとすると
痛みが生じる。同時に殿部~大腿部後面に痛みが走る。
困難な後屈動作を整えるために膝のツボに鍼をし、
殿部~大腿後面の痛みにたいして、腰に鍼をした。
抜鍼後、動きの確認をしたところ先ほどまでの後屈の痛みは減少し、
歩くのも楽になったとのこと。

2診目、3診目と多少戻りはあるものの、徐々に歩ける距離は伸び
殿部~大腿の痛みも減少してきた。

同様の施術を一週間に一回のペースで6回行い、その後2週間に一度
3週間に一度と通院のペースを空けていき、
現在も月に一度、メンテナンスとして通院を続けている。


使用した主なツボ
玉天・空りょう・地機・後谿


考察

腰椎が前弯傾向にあり、背中が丸まっていたが、筋肉を調整することで
症状は改善した。
高齢者が腰痛や首痛、肩こりなどで病院に行くと
大抵、「脊柱管狭窄症」の診断をうけるようだが、
誰もがある程度、年齢を重ねれば背骨の間隔は狭くなってくる。
それは、生理現象として仕方のないことであるが、
それが必ずしも、痛みやしびれの原因になるわけではないことを
知っておいてもらいたい。
今回のように80代で関節の変形があってもちゃんと
体が動かせるようになれば、痛みも解消する。
痛いから動かせないのではなく、動かないから痛いのである。

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